毎年この時期になると、柚子こしょうの仕込みというイベントが待っています。
必要な材料は青柚子に青唐辛子に塩。青柚子は愛媛県の業者から、青唐辛子は京都錦市場の八百屋さんから仕入れているのですが、どちらも時期を逃すと手に入らなくなるので神経を使います。
今年は青柚子の販売がなかなか始まらず、かなり気を揉みました。業者さんから連絡が入ったのは10月に入ってから。すぐに予約を取り付け、出荷日が決まるのを待って、今度は青唐辛子の仕入れ。そして昨日、10月10日に仕込みという運びになりました。
知人や友人に差し上げる分も含めて、仕込むのは柚子20キロ分。20キロと言われてもピンと来ませんね。柚子10キロが大体80〜100個。今年は粒がやや小さく、数えたら一箱(10キロ)に100個ほど入っていました。つまり合計200個。
この200個の青柚子の皮を、一個一個丁寧に包丁で剥きます。この作業が結構大変。5キロずつ、4回に分けて仕込むのですが、5キロの柚子を剥くのに1時間半弱。そして5キロに対して使う青唐辛子が1キロ。皮むきが終わったら、唐辛子のヘタを包丁で落とし、両者を併せてフードプロセッサーにかけて細かく刻み、保存容器に移して塩漬けにします。ここまでで約2時間(ふうー)。

写真は漬け終わった5キロ分。この作業を4回繰り返します。合計8時間。その間ほぼ台所に立ちっぱなし。腰も痛くなりますし、ずっと包丁を持っているので肩も凝ります。さらに包丁の峰の当たる部分、右手の人差し指の下の方に豆もできます。結構な苦行でしょ?
でもこれだけで終了ではありません。皮を剥いた柚子をそのまま捨てるのは忍びない。全部絞って柚子汁を作ります。ハチミツを加えてお湯で割れば、風邪の予防になりますし、料理やポン酢に使えてとても重宝。ちなみにこの柚子汁、密封容器に入れておけば、冷蔵庫で1年はもちます。
柚子こしょうについては、いろいろ作り方があるようです。柚子をすり下ろす方もいれば、柚子をすり鉢でする方もいらっしゃいます。青唐辛子も、種を取った方が辛みがなくて良い、という方も多いみたい。でも私は敢えてそこまで凝った作り方はしません。個人的に、さらっとしている方が好きなので、フードプロセッサーで細かくする程度。辛みもある程度あった方が美味しいので、種もそっくりそのまま入れてしまいます。
でも、これでとても美味しい柚子こしょうができあがるんですよ。市販のものみたいにしょっぱくないし、味わいも上品です。仕込んで一週間ほどで食べられるようになりますが、時間が経過するに従って乳酸菌が発生し、次第に味もなれてきます。まあ、早い話が発酵するわけです。そうして発酵した柚子こしょうも、また美味しいんですよ。

こちらの写真は一年ものです。色もまるで違います。香りは作りたてにはかないませんが、実際に料理に使ってみると、こちらの方が味が複雑で美味しく感じます。若くてきれいなぴちぴちギャルもいいけれど、若さが鼻につくことも。ちょっととうの立ったようなご婦人の方が、何かと馴染みやすいということでしょうか。
何はともあれ、今年も一大イベントが無事終了。あとは美味しく漬かった柚子こしょうを楽しみに日々を過ごすだけです。
柚子こしょうに関しては、『さん生さんちの台所』〜今週のおもてなし料理〜でも、レシピを公開しています(http://www.3lives.net/dishfile/file106.html)。ご興味のある方はご覧ください。なお、現在発売中の『dancyu』11月号に、私の料理が掲載されています。こちらもぜひご覧いただければ幸いです。